第一部
試合開始
4
ある男は、ルールの事より興奮していた事があった。その男とは、ホラーマニアの山本正樹(男子二十番)だった。
正樹はこの第四中学1ホラーが好きな男であろう。
柔道部でありながら、練習にはほとんど出ないで、ホラーのビデオや雑誌などを、学校から帰るとすぐに見る、根っからのオタクであった。
正樹が興奮してる理由は、第一に自分の担任の生首であった。ホラー好きには本物の生首を見れるなんて、正樹にとって不幸中の幸いであった。
しかも少しばかりか、鬼月に共感を感じていた。おいおい、鬼月先生もお好きなんですね?だったら話しませんか?ホラーについて。「死」について。
その正樹が見つめる中、鬼月は淡々と大きくゆっくりとルールを語り始めた。
「いいか〜ルールはまあまあ簡単だ。まず、この教室から一人ずつ、俺の横にある...この衣装ケースの中に入ってるデイパックを持って出て行ってもらう。いいな。
それから外に出たあと、デイパックに入っている自分に支給された武器で友達を殺せ。武器はそれぞれ違う
モノが入ってるから、楽しみにしてろ。で、殺し方や、殺り方などは一切制限はない。なんでもいいから、とにかく殺し合ってくれ。尚、
この島は、お前らのゲームのために貸しきったから、思う存分殺り合えるぞ。いいか〜まだある。お前らの首についているその首輪な、
土の中や、海の中に逃げたりしたらこっちから特殊な電波を送って、首輪を爆発させます。あっ、その首輪を外そうと、
無理に引っ張ったりすれば・・・自動的に爆発する仕組みになってるからな。
気をつけろよ。あと、このゲームには禁止エリアってのがあります。俺が一日四回禁止エリアの放送するから、
持っていくデイバックの中に、一リットルの水2つと、まずいパン2つ、
それに、この島の地図、方位磁石、それから、共和国特別金桃ロゴ入りの、腕時計ぷらす〜、さっきも言ったように一人一人違う武器が入ってるからな。
なので、今地図を見せる事はできないが、まあ、この教室を出てから
見てくれよ。それで放送の時に、何処が禁止エリアになるかを見て行動してくれ。もし禁止エリアに入ってしまったら、
これもまた、首輪がバーンと爆破して、死にます。まあ心配するな。
禁止エリアの放送は、放送の数時間後になるから放送を聞いてりゃ大丈夫だ。たぶん。
あと、24時間以内に誰も死亡者が出なかったら、残ってる奴全員の首輪が爆発するから、ちゃんと、殺し合えよ。
首輪に流れるパルスでお前らの心臓をこっちのコンピューターで管理してるから、誰が死んだかわかるぞ〜。なんでそんな事できるんだって思う奴は反抗したらいい、
まあ簡単に説明すると宇宙からの衛星カメラと、EMPと呼ばれる電磁パルス
でお前らの位置とお前らがつけている首輪から心臓の動きを管理できてるんだ。いいな〜、これぐらいがルールだ。
あとは、グレイトな殺し合いをしてくれ。なっ。結果、優勝すれば、
総統陛下直筆のサイン色紙と、生涯の生活保障がもらえるから、そんな事も含めてがんばってくれよ。
それじゃあ今から・・・・あっ!そうだ、この教室に出て行く順番を
くじで決めるんだったな・・・・」
そう言うと鬼月は、自分のポケットから一つの封筒を取り出し、おもむろに手でびりびり封を破り始めた。
そして封筒の中に手を入れ、一つの小さな紙を取り出した。
「ほほう・・・よ〜し、順番が決まったぞ」
――――何がグレイトな殺し合いだ・・・――――
一は鬼月に腹立っていた。きっとみんなもそうだろう・・・先生の死から、友達の死まで目の前で見せられた一は、
鬼月を殺してやろうと思っていた。その時、鬼月の一言がゲームが始まるサイレンの様に教室に響きわたった。
「一番初めに出て行くのは、男子十九番、村瀬淳也。そして2分後に女子十九番、牧野つくしの順で、男女出席番号順に出て行ってもらう」
【残り38人】